2022 年 77 巻 5 号 p. I_635-I_647
より細かな単位の地域で移動のニーズに合わせた需要者本位の都市交通計画に向け,町丁単位の小さな単位での地域の交通行動として,本研究では駅やその周辺と自宅との間の交通行動を取り上げる.そして,個人の習慣性に着目し,手段選択の異質性とその要因との関係を定量的に明らかにすることを本研究の目的とする.交通手段ごとの利用頻度を基に,個人を均質なものとした従来手法では分からない手段選択の要因を明らかにする点から,共分散構造分析を行った.徒歩については,「送迎される可能性」,「中長距離通勤・通学者」,「歩行に不自由さ」という 3 つの要因が,路線バスについては,「バスの利便性」,「複数人世帯の通勤・通学者」,「歩行に不自由さ」という 3 つの要因が手段選択の異質性に影響することを明らかにした.