2022 年 78 巻 6 号 p. II_35-II_44
諸外国では「15分シティ」など住まいからの生活圏に注目が集まっており,我が国においても高齢化の進展やワークスタイルの変化により生活圏概念は重要になると考えられる.一方従前推進されてきた立地適正化計画と併せて生活圏を検討するうえではその最も基礎的な検討材料として,実際の人の動きに基づいた人々の生活行動実態を明らかにする必要がある.そこで,本研究では第6回東京PT調査の特長を生かし,「CTD生活圏」をもとに各種私事活動の生活行動範囲を移動目的別に明らかにすることで,居住地周辺の生活行動と都市機能誘導区域との対応関係を検討した.その結果,都市機能誘導区域内への着トリップ集中状況が同程度の移動目的であっても,住まいからの移動距離には大きなばらつきがあることが明らかとなった.