2022 年 78 巻 6 号 p. II_785-II_797
女性の社会進出等の働き方の変化により,居住地・従業地の選択が変化してきている.また,2020年にはCOVID-19パンデミックが起こり,これまであまり普及しなかったテレワークが急速に拡大するといった働き方の変化が起きた.今後の長期的な都市整備計画等の検討においてこれらの変化は取り込む必要があるが,鉄道利用実態から分析された研究はなされていない.本研究では今後の首都圏路線の沿線活性化に向けた基礎分析とするため東武伊勢崎線・東上線をケーススタディ対象として,男女別鉄道利用実態と利用変化の影響を明らかにする.鉄道利用データ分析からは両線において女性の23区従業者が増えており,居住地・従業地選択として乗り換えの容易さが重要視されていること,COVID-19により都心3区とその周辺区における通勤者の減少が大きいことが判明した.