2011 年 67 巻 1 号 p. 1-17
鋼・コンクリート合成構造形式のトンネルでは,鋼板がトンネル内に露出しているため,車両火災に対して耐火対策を行うことが必須である.本研究では,まず耐火板を設置していない大型試験体に対してRABT加熱実験を実施し,構造体の損傷性状および内部コンクリートの劣化程度の確認を行った.また,鋼板および耐火板を使用した要素実験を実施し,中空層の熱の伝達性状を明らかにした.続いて,耐火板を設置した大型試験体に対してRABT加熱実験を実施し,内部温度の分布,中空層の状況を確認した.最後に,中空層での輻射・対流・熱伝導およびコンクリートの潜熱のモデルを導入した有限要素法による熱伝達解析手法を提案し,実験結果と比較することにより,この熱伝達解析手法の有効性を確認した.