2012 年 68 巻 4 号 p. 283-299
震害を受け修復したRC部材の性能は,損傷前の性能と異なることが明らかにされつつある.これまで著者らは,修復前の軸方向鉄筋の損傷程度が修復部材の性能を決定する重要な指標であること,再修復部材の性能は修復部材と同様の指標で評価できることを示した.本論文ではこれらの知見に基づき,修復部材の性能評価モデルを検討した.その結果,性能評価モデルは,損傷程度,修復方法,補修材料等を考慮した7つのモデルに分類出来ることが分かった.これらを用いて震害を受け修復した鉄道RCラーメン高架橋の耐震性を検討した.その結果,柱の軸方向鉄筋が座屈する程度の損傷を受けた場合,無損傷時と同等程度の耐震性能を確保するには柱に鋼板巻立てを施す必要があることが分かった.