抄録
東日本大震災における津波によって,東北地方を始めとする沿岸海域では,津波による底質移動,ガレキ堆積,漂流物の影響等が現れ,そこでの水底質環境や生態系構造の変化が懸念されている.そのため,震災から2年たった現況の海域環境の現況把握や今後求められる環境改善技術について整理することは必要である.上記のことを念頭に,本特別セッションでは,津波に焦点を絞って,震災後の海域環境変化に関する調査研究の報告とパネルディスカッションを行った.そこでは,1)津波発生が海域における水底質環境や生態系に及ぼした影響の現況把握の状況を取りまとめることや今後の将来予測に関する重要性が提示された.また,2)そのために必要となる環境モニタリング項目の整理やモニタリング技術の開発・一般化が求められていることを明示した.