2014 年 70 巻 2 号 p. I_331-I_336
津波の作用と基礎地盤の洗掘による陸上構造物の移動現象に関する水理実験に津波・構造物・地形変化間の相互作用を解析できる3次元流体・構造・地形変化連成数値計算モデルを適用し,構造物の移動とその対策法についての検討を行った.その結果,水理実験の条件に適合した砂地盤のパラメータを用いることで,最終洗掘深の分布と構造物の挙動の再現性が向上することを確認した.また,構造物が砂地盤から受ける反力は,波だけではなく洗掘の影響も受けることから,構造物の安定性を評価する際に洗掘の影響を考慮することの重要性を明らかにした.さらに,構造物の沖側に矢板を設置する対策には構造物の安定性を向上させる効果が期待できないが,構造物の側面側に矢板を設置する対策と構造物の隅角部を斜めにする対策には効果が期待できることが判明した.