2014 年 70 巻 2 号 p. I_654-I_659
関門航路の海峡部に位置する田野浦地区では,サンドウェーブの発達による局所的な浅所の発生が問題となっている.本研究では,深浅測量データを解析し,田野浦地区におけるサンドウェーブの形成過程の解明を試みた結果,砂は浅瀬から供給されていると考えられるものの,サンドウェーブは浅瀬で発達し航路内に移動するのではなく,航路内の特定の位置で発達していることを明らかにした.また,発達したサンドウェーブは航路に沿って西南西の方向に0.2~0.8m/day程度の速度で少なくとも400m移動すること,頂高は最大約2.5m,発生周期は約20~45カ月,波長は約100~350mであることが分かった.