2020 年 76 巻 2 号 p. I_1013-I_1018
積雪地域で津波が発生した場合,降り積もった雪が避難の障害となり被災リスクが高まることが予想される.高齢者や障害者といった災害弱者は徒歩での避難方法のみならず車移動での避難も想定されることから,避難時における降積雪の影響を把握することは必要不可欠となる.本研究では積雪地域かつ過疎地域である函館市において,GISを用いて積雪地域の交通特性と津波避難を考慮した道路ネットワークを構成し,最短経路分析を行った. その結果,一部地域において大幅に遅延することを明らかにした.また,周辺道路の幅員が狭い一部施設において除雪状況により遅延が見られ,函館市除雪計画の見直しを提案した.