2020 年 76 巻 2 号 p. I_648-I_653
溶液型薬液注入工法の1つである浸透固化処理工法によって改良された地盤の強度は,一軸圧縮強さqu=100kN/m2程度であり,軟弱地盤の地盤改良としては低強度であるため,事後調査時の乱れの影響で過小に評価されることが懸念されている.乱れの影響を抑制できる改良地盤の評価方法として,原位置試験による一軸圧縮強さの推定も検討されているものの,実際に適用する際の選定条件は明確になっていない.本研究は,事後調査としてサンプリング試料による一軸圧縮試験が実施された結果を分析することにより,事後調査方法を選定する際の条件について検討するものである.検討結果から,サンプリング試料の一軸圧縮試験による評価は,礫分含有率15%以下,平均粒径1mm以下,試料採取率75%以上において適用可能と考えられる.