2022 年 78 巻 2 号 p. I_319-I_324
コンテナターミナル(CT)における荷役機械は主要なCO2排出源であり,電動化等とともに荷役効率はCO2排出削減の有効な対策となる.本稿ではCTでの脱炭素化に向け,荷役オペレーション効率化の観点からビッグデータ分析と荷役シミュレーションの活用可能性を検討した.ビッグデータ分析では,CO2排出に関連する荷役機械の走行距離や作業種別の作業回数が抽出され,荷役の非効率性の原因とされるリハンドリングの割合は約4割に上ることが分かった.荷役シミュレーションでは,外来シャーシの具体的な挙動を再現する荷役シミュレーションモデルを構築し,得られた走行距離からCO2排出量を推計した.このように,ビッグデータ分析及び荷役シミュレーションはCTの脱炭素化に向け活用可能なツールとなり得る.