2022 年 78 巻 2 号 p. I_385-I_390
防波堤の基礎マウンドは波浪への安定性確保のため必要に応じて被覆材での保護を行うが,その際マウンド天端面で算出した所要質量を満足する被覆材を基礎マウンド法尻まで設置することが多い.一方,被覆材の設置に先立ち基礎マウンドの均し作業を行うが,防波堤を大水深部に設置する場合,均し工は作業効率が著しく低下する大水深での潜水作業となり施工期間への影響が懸念される.そのため,大水深部の法尻まで設置していた被覆材の設置範囲を適切に設定する方法が求められた.そこで,本研究は基礎マウンド面での流れの場を数値解析で把握し,従来の算定手法との比較検証により従来手法の適用範囲を確認し,現地への適用性の可否を明らかにすることを目的として実施したものである.