2022 年 78 巻 2 号 p. I_727-I_732
2021年8月13日,小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」が噴火し,この噴火により発生した大量の軽石が2021年10月17日頃から沖縄本島北部を中心に漂着した.沖縄本島北西部に位置する大宜味海岸でも大量の軽石が漂着し,サンゴ礁起源の白い砂浜を埋めた.そこで2021年10月28日に緊急調査を行い,UAVを用いて軽石の漂流・漂着状況を観測した.また,軽石の漂着した前浜で掘削調査を行った.これによれば,軽石は最大厚66cmをなして前浜に厚く堆積していた.この海岸の南部では突堤が設置されていたために,漂着した軽石は突堤の北側で一度トラップされた後,突堤先端で剥離した沿岸流に乗り突堤から離れた下手海岸へと運ばれたことが分かった.