2012 年 68 巻 3 号 p. I_139-I_146
カンボジアをはじめ多くの途上国では,道路舗装の劣化が予想を上回る速さで進展し,場合によっては経済発展を阻害することがある.そのため,交通量など各種要因を考慮した破損量の推移を的確に予測し,効果的な維持管理を行うことが極めて重要である.しかし多くの途上国では,劣化予測に必要な情報が不足しており,このような状況下における劣化予測について検討する必要がある.本研究では,カンボジアにおける主国道である国道1~7号で実施された舗装の実調査データに基づき,IRI(International Roughness Index)の低下過程に及ぼす各種要因の影響を明らかにするとともに,各種劣化予測モデルによる劣化評価を国道5号を対象に試みた.その結果,IRIの低下速度はIRIの値そのものに大きく影響を受けることや,限られた情報下においては,指数関数モデルによるIRIの予測値が最も実測値と近くなることが明らかとなった.