抄録
アスファルト舗装のひび割れ損傷を定量的に評価する指標としてひび割れ率が定められている.このひび割れ率の算出にあたっては路面のひび割れをスケッチした後に区画内のひび割れの本数を数える必要があるが,手作業となるため膨大な労力と時間が必要となり,さらにはひび割れ開口幅などの重要な情報を得ることができないという問題がある.そこで本研究ではナイーブベイズ法による機械学習と画像解析を組み合わせ,撮影画像からひび割れを自動的に検出する手法を構築した.本手法は画素単位でひび割れを検出できるため,上述のひび割れ開口幅や面積などについても計算が容易である.そして本手法を複数箇所の密粒度アスファルトおよびポーラスアスファルト舗装の路面から撮影された画像に適用した実験により,本手法の高いひび割れ検出性能を確認した.