2015 年 70 巻 3 号 p. I_95-I_99
筆者らは,表・基層の下部の構造形式(特に,橋面舗装におけるコンクリート床版,鋼床版)が橋面舗装のアスファルト混合物の挙動に与える影響について研究している.この研究では,アスファルト混合物を線形粘弾性体としてBurger'sモデルでモデル化し,線形粘弾性体の解析には対応原理を適用している.すなわち,ラプラス変換を施し,弾性体に準じて解析を行い,得られた結果をラプラス逆変換している.しかし,この場合,運動方程式を解いていないため準静的な解析となり,動的な効果を無視していることになる.本稿では,アスファルト舗装の粘弾性挙動について,簡単なモデルを用いて,動的な効果の影響程度を検討した.その結果,表・基層より下の構造部の質量,および,剛性が実際に使用している材料の範囲であれば,動的な効果がほとんど見られないことを確認した.