抄録
本研究は,バラスト道床の合理的な維持管理方法の確立に寄与するため,中型不飽和三軸試験機を用いて,新品道床バラストと経年劣化を想定した細粒土混入道床バラストの単調載荷・繰返し載荷三軸圧縮試験と保水性試験を実施し,含水状態の違いが細粒化した道床バラストの強度・変形特性に及ぼす影響について検討した.その結果,道床バラストは細粒化によりその保水性が著しく高まること,および細粒分の有無や含水状態の違いが道床バラストの強度特性・繰返し塑性変形特性に強い影響を及ぼすことが明らかとなった.したがって,列車荷重繰返し載荷時のバラスト道床の挙動予測や道床バラストの長期性能評価を精度よく行うには,道床バラストの力学特性に対する細粒分増加と含水比変化との相乗効果を十分考慮する必要がある.