2021 年 77 巻 1 号 p. 28-38
道路管理者は,予算縮減および技術者不足等の厳しい状況の下,舗装メンテナンスサイクルを確立し効率的な維持修繕を行うことが求められている.本研究では,道路管理者のための舗装診断支援ツールとして,車載カメラによって撮影された路面画像と舗装基本諸元データから,説明可能なAI(XAI)によってひび割れの発生原因を判別する手法を開発した.その結果,深層学習(CNN)と機械学習(RF)を組み合わせた複合判別モデルを用いることによって,ひび割れ発生原因の判別精度が向上すること,加えて判別結果の根拠も可視化できることを明らかにした.さらに,本手法を北海道内の路線に適用することで,ひび割れ発生原因のマッピング(プロジェクトレベル評価)および地域特性分析(ネットワークレベル評価)が可能となることを示した.