2009 年 65 巻 1 号 p. 104-110
経験的評価手法である距離減衰式に地震断層の震源特性である破壊開始点及び破壊進行方向の影響の導入を試みた.具体的には,既存の等価震源距離に基づく距離減衰式を用い,等価震源距離の計算にディレクティビティ効果を導入する方法を提案した.この手法では,モーメントマグニチュードと震源距離の他に,震源特性であるすべり量分布や破壊開始点,破壊進行方向を設定できる.提案した手法を1995年兵庫県南部地震に適用し,観測された震度分布と比較することによって,その妥当性を示した.さらに,実在する地震断層を対象とした地震動解析を行い,提案手法とハイブリッド法による震度分布を比較することで本手法の有用性を示した.