土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第30巻
構造物の非対称応答特性と地震動特性の関係
坂井 公俊室野 剛隆
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2009 年 65 巻 1 号 p. 325-332

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抄録

構造物の地震時損傷程度は,最大応答値や繰り返し回数よりも,正側負側最大応答値の平均を用いることで精度よく評価可能であるといった報告がされている.そこで本検討では,地震動特性の違いと構造物応答の非対称性の関係について,観測記録に基づいた検討を行った.まず,片側所要降伏震度スペクトル,両側所要降伏震度スペクトルといった構造物応答の非対称性を簡便に表す指標の定義を行い,多数の記録に対して両側震度-片側震度の比を算定した.その結果,構造物の周期が長いほど地震時に片振れの傾向が強いこと,内陸活断層,海溝型といった地震発生種別による両振れ,片振れの傾向は見られないこと,震源に近付くにつれて構造物は片振れの傾向を強く示すことが分かった.

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© 2009 公益社団法人 土木学会
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