2009 年 65 巻 1 号 p. 354-367
本報は,原子力発電所の機器・配管支持構造物の基礎ボルトに,地震力のような動的荷重が作用した場合の定着部の性能を確認するために行った加振試験について示すものである.加振試験としては,(1)基礎部に動的引抜き力を作用させる引抜き力加振試験,(2)動的せん断力を作用させるせん断力加振試験,(3)実機機器の模擬試験体に観測波等を入力した実機模擬加振試験の3種類の試験を行うと共に,加振試験後に内部損傷調査と残留耐力を確認するための引抜き試験も実施した.その結果,現行の設計式に基づいて設計された基礎ボルトは,動的荷重に対して十分な安全余裕を有すると共に,動的荷重載荷後においても,設計許容値以上の引抜き耐力を有していることを確認した.