2009 年 65 巻 1 号 p. 488-498
本論文は,原子力発電所における埋設消火配管の継手性能について,4点曲げ載荷実験と有限要素解析,弾性床上のはり理論に基づき検討したものである.対象とした継手は,溶接継手,フランジ継手,ねじ継手,カップリング継手である.4点曲げ載荷実験の結果,溶接継手やフランジ継手は機械式継手の一つであるカップリング継手に比べて5倍の最大曲げ耐力を有していることが示された.また,4点曲げ載荷実験と溶接継手を対象とした有限要素解析から,送水機能喪失の目安となる各継手の内圧の保持限界状態を明らかにした.さらに,弾性床上のはり理論を用いて各継手が内圧保持限界にいたる地盤変位を算出し,その結果,溶接継手はカップリング継手やねじ継手に比べて5倍程度の地盤変位吸収能力を有していることを明らかにした.