土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第30巻
地震による斜面崩壊土石の高速·遠距離運動のメカニズムに関する研究
陳 光斉善 功企鄭 路
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2009 年 65 巻 1 号 p. 796-803

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抄録

2008年四川省〓川県で発生した大地震(Ms8.0)は観測史上例のない大規模な土砂災害を引き起した。災害の特徴の一つは、大量の崩壊土石が1000m以上の遠距離を移動したために村落の全滅など甚大な被害をもたらした点があげられる。そこで、本研究では、地震による崩壊土石の遠距離運動現象を解明するために、先ず「多重加速モデル」を提案し、遠距離移動のメカニズムに関する理論的根拠を考察した。そして、斜面からの飛び出し岩塊の大きな初期速度の付加メカニズムについて提案モデルにより検討した。また、振動台による模型実験と個別要素法(DEM)による数値シミュレーションを行い、地震動による移動距離への影響や崩壊土石の形状による地震動の影響度合いについて検討し、「多重加速モデル」の妥当性について検証を試みた。

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© 2009 公益社団法人 土木学会
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