2012 年 68 巻 1 号 p. 173-190
鉄道線路のレール継目部等で見られる‘浮きまくらぎ’の発生要因の一つとして,レール頭頂面の凹凸に起因する衝撃的な荷重の影響が考えられる.そこで,繰返し衝撃荷重によって砕石層の沈下が促進されるかどうかを検証するために,衝撃的な‘高速載荷’と,その1/10の載荷速度の‘標準載荷’による繰返し載荷試験を行い,比較をした.同時に,実験中に取得した砕石層の画像をPIV解析することで,砕石粒子の動的挙動と残留変位の両者を観察した.実験結果より,標準載荷では,載荷初期に粒子間の空隙が詰まることで沈下が生じるものの,その後は沈下が徐々に収束するが,衝撃的な‘高速載荷’では,砕石粒子の動的挙動,特に除荷過程における運動が著しいため,砕石層の体積膨張を伴う変形が卓越し,沈下が収束し難い傾向が確認された.