抄録
高速道路を対象に,地震発生時に被害が予測される箇所とその規模,優先的に点検を行うべき箇所の情報を提供し,直後対応の意志決定を支援するシステムを製作する.プロトタイプとして,緊急地震速報の震源情報と距離減衰式を用いて,対象路線の最大加速度と震度の分布を計算し,結果を国土地理院の電子国土Webシステムを用いて表示するシステムを製作した.2011年東北地方太平洋沖地震時に発表された緊急地震速報について解析した結果,マグニチュード8を超える巨大地震発生時には,緊急地震速報のみの入力では適切な情報提供には不十分であることが明らかとなった.そこで,地震動分布図作成にあたり,実測した地震動の情報を取り込むことによって,規模の大きな地震に対しても適切に情報出力できるよう設計を行った.