抄録
通信管路設備は,地下に布設するケーブルを効率的に運用・保守するだけでなく,地震時にはケーブルに作用する外力を低減する性能が求められる.一方,高度成長期に大量構築した管路設備が老朽弱体化しており,メンテナンスや補強により効率的に設備の信頼性を維持していく必要がある.本研究では,新潟県中越沖地震で光ファイバケーブルの障害が生じた老朽化した鋼管について,現場調査結果にもとづいて再現解析を行い鋼管の地震時挙動を把握した後に,管内面にライニング補強を施した場合の内管の挙動を解析および実験により確認した.老朽管路にライニング補強を施すことで,地震時のケーブル防護効果が向上し,合理的な耐震対策として期待できることが確認できた.