2013 年 69 巻 4 号 p. I_161-I_170
本論文は,居住者の年齢構成などに応じた災害対策の立案に資することを目的として,2005年国勢調査の500mメッシュ人口統計,日本統計センターによる500mメッシュ推計昼間人口(2005年),日本地理学会災害対応本部津波被災マップ作成チームによる2011年3月11日東北地方太平洋沖地震に伴う津波被災マップ,消防庁による被害報告および特に被害の大きかった被災地3県の県警における安否確認情報を用いて浸水市町村における年齢別死亡率の推計を行うものである.この推計を通じて,昼間人口と夜間人口による傾向の違い,浸水域と流失域における死亡率の特徴,男女別の特性について明らかにした.