2014 年 70 巻 4 号 p. I_1-I_8
首都大学東京では,逗子の不整形地盤の地表と地中基盤(GL-30m,N値≧50)で地震観測を実施し,東北地方太平洋沖地震時に,過去最大の加速度記録を得た.観測記録を用いて,大地震時の不整形地盤の地震応答特性を検討・評価するとともに,地盤構造を同定し,さらに,同定モデルと観測波を用いて,3次元地震応答解析を実施し,表層地盤の挙動を検討・評価した.解析結果と観測結果は良く一致しており,解析法(モデル)の妥当性が確認された.また,基盤構造の不整形な盆地状の勾配の急な部分では,地表においては,水平地震動入力の場合で,水平動の増幅だけでなく,かなり大きな上下動が発生する等,不整形地盤特有の3次元的な応答特性が解析的に明らかとなった.