抄録
電柱は電気通信を支える重要なインフラ設備であるが,これまで震災による地盤の液状化によって,多くの電柱が沈下,傾斜の被害を受けている.過去にも電柱への液状化対策の研究は行われていたが,電柱1箇所毎に実施する対策としては,規模が大きくなる等の課題があった.本研究は,液状化による電柱の沈下,傾斜被害への対策として,グラベルドレーン機能を付与した建柱工法(根入れ部の砕石埋戻し工法)を検討し,模型実験により効果の検証を行ったものである.本実験では,電柱根入れ部への小規模な対策であっても電柱周囲の液状化発生を遅らせる効果や,地盤支持力の増大による沈下,傾斜を抑える効果を期待できることが確認された.