2014 年 70 巻 4 号 p. I_535-I_544
本研究では,地震作用による機能損失に鈍感な構造システムを鈍構造と定義し,その実現方法・課題について整理する.そして,鈍構造の概念に基づく適用事例として,「入力の特性の変化に対し,応答の特性の変動が小さいこと」を応答改善効果と考え,振動特性を不均質にした構造システムの応答特性を,不規則振動論に基づき解析的に評価した.その結果,構造特性が均質な場合に比べ,構造特性を不均質にすることで,変位応答平均値の減少に加え,入力の特性の変化に対する最大変位応答値の変動をも小さくすることができる可能性を明らかにした.