抄録
同じ断層の異なる破壊シナリオによる地震動のばらつきと,個々の破壊による地震動の空間的なばらつきを比較検討するため,横ずれ断層と逆断層のそれぞれについて300通りの断層破壊シナリオを設定し,断層を取り囲む200km×200kmの領域内2kmメッシュ毎(10,201点)の強震動(サイト特性は共通)を詳細法(統計的グリーン関数法)で計算した.その結果を用いて,サイトを固定した場合の断層破壊シナリオ毎のばらつきと,個々の破壊シナリオで断層から同じ距離のサイト群から導かれるばらつきを比較した.その結果,一般的な距離減衰式の基本データと共通する後者のばらつきの方が,現実の問題に対応する前者のばらつきよりも大きいことが示唆され,確率論的な地震動評価をおこなう場合のばらつきの与え方について参考となることが期待される.