抄録
2011年東北地方太平洋沖地震は観測史上最大のMw9.0の極めて規模が大きい地震であり,地震動が広い範囲で観測された.震源付近で観測された地震動には複数のセグメントの破壊に起因すると考えられる波群が確認され,少なくとも宮城県沖に2つ,茨城県・福島県沖に1つの計3つのセグメントの破壊が連動したと考えられている.当該地震における地震被害メカニズムの解明,複数のセグメントが連動する地震に対する震源のモデル化技術の高度化等を目的に,各セグメントを固有の地震と想定し,距離減衰式を用いて地震規模の推定を試みた.その結果,宮城県沖の強震動生成域がMw7.8とMw8.1,茨城県・福島県沖がMw7.8と推定した.