抄録
デジタル画像相関法は,二時点の画像情報をもとに全視野内における変位分布を計測でき,非接触で広範囲な情報を得られるため,建設分野においてもその有用性が期待されている.本研究では,コンクリート構造物をフレームレート 100fps で高速撮影し,フレームごとにデジタル画像相関法を適用,変位分布の時刻歴変化をもとに動的挙動を把握した.まず,室内でコンクリート桁試験体の繰り返し載荷試験に適用し,デジタル画像相関法から算出したたわみ量やひび割れ開口変位の妥当性を確認した.つぎに,供用中の橋梁で試験を実施し,活荷重を利用してたわみ量の変化やひび割れの抽出を試み,本技術の適用性を検証した.高速撮影動画を用いて重量車両通行時に生じる瞬間的な現象をとらえ,ひび割れ開閉挙動をもとにしたひび割れ抽出の可能性を確認した.