土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第35巻(論文)
ベイズ確率推定と漸増動的解析(IDA)による経年劣化支承(リング沓)の耐震性能評価
党 紀佐藤 拓五十嵐 晃林 訓裕足立 幸郎
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2016 年 72 巻 4 号 p. I_542-I_554

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抄録

 本研究では,多数の新品支承の実験結果に基づく事前分布を用い,少数の劣化ゴム支承(リング沓)の載荷実験データとベイズ法により,経年劣化を生じたゴム支承の変形性能の確率分布の推定を行った.これにより,確率分布の推定にあたって事前情報となる実験データの不確定性も考慮され,同様の基準で製作されたゴム支承が許容ひずみまで破断しない確率等の情報が得られた.さらに,劣化または新品支承を有する多径間連結桁橋の例を設定し,多数の地震観測記録を用いた漸増動的解析(IDA)を実施し,劣化ゴム支承の変形能のばらつきを考慮した橋梁構造の耐震性能を確率論的に評価した.劣化支承の新品支承への交換および橋脚の耐震補強の有無により,構造の地震時の先行破壊モードやその確率等への影響を定量的に評価した.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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