土木学会論文集A1(構造・地震工学)
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和文論文
Al-Zn陽極材と吸水・保水繊維シートを用いた鋼部材の大気犠牲陽極防食技術に関する研究
貝沼 重信土橋 洋平石原 修二内田 大介兼子 彬山内 孝郎
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2017 年 73 巻 2 号 p. 313-329

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抄録

 大気環境下の塗装鋼構造物において,再塗装時に塩化物を含む腐食生成物が鋼素地表面に残置されると,塗膜下腐食が早期に発生する.著者らは高品質な素地調整を必要としない防食方法として,Al-Zn陽極材と吸水・保水繊維シートを用いた大気犠牲陽極防食技術を開発した.本研究では本技術を鋼構造物に適用した場合の防食効果と実用性を検討するため,消耗・劣化させた犠牲陽極材の引張試験を実施し,その機械的性質を明らかにした.また,鋳造板の合金組成と吸水経路が陽極材の電流効率に及ぼす影響を定量評価するために,鋳造板の円孔の径と配置を変化させたモデル試験体の大気暴露試験を行った.さらに,鋼桁を模擬した圧延H形鋼,および塗膜が劣化・消失した鋼I桁橋の桁端部を用いて,本技術の実用性を検証した.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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