土木学会論文集A1(構造・地震工学)
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和文論文
連続高架橋の多方向地震動下でのゴム支承と支承取付部の曲げせん断挙動
後藤 芳顯奥村 徹海老澤 健正
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2017 年 73 巻 3 号 p. 532-551

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抄録

 過去最大級の2径間連続高架橋模型を用いたマルチ振動台による水平2方向加振実験と精緻なFE解析により高架橋に設置されたゴム支承の多方向地震動下の挙動について検討した.とくに,現在の設計で考慮されていない支承の2軸の曲げせん断挙動が支承本体ならびに支承取付部に与える影響について扱った.検討結果として,橋軸直角軸まわりの支承の相対回転により生じる純曲げモーメントの影響は大きく,これで,支承本体に生じる局部せん断ひずみが大きく上昇すること,また,負反力下では支承取付部のボルトの引張応力が大幅に上昇しボルト破断の可能性もあることが判明した.さらに,熊本地震での大切畑大橋の支承被害形態をほぼ矛盾なく説明できることもわかった.最後に,支承本体の破断以前に取付ボルトの破断を防ぐための設計について考察した.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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