土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第36巻(論文)
通潤橋の地震応答特性に関する研究
伊津野 和行石田 優子藤本 将光深川 良一
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2017 年 73 巻 4 号 p. I_1-I_8

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抄録
 通潤橋は熊本県上益城郡山都町にある石造りアーチ水路橋で,江戸時代に建設されて現代まで水路機能が保持されている国の重要文化財である.2016年熊本地震により石管からの漏水および壁石のはらみだしが確認された.本研究では,通潤橋および周辺地盤の現地調査によって振動特性を明らかにしたうえで,近傍で観測された地震記録を用いて熊本地震による揺れを推定した.簡易貫入試験の結果,壁石基礎斜面において表層部分は風化が進行しているものの,地下1.5~2.6mに基盤面があると推定された.振動計測の結果,周辺地盤における卓越固有振動数は2.4Hzであった.また,通潤橋の面外1次固有振動数は2.3Hz,たわみ1次固有振動数は5.3Hz,微小振動に対する減衰定数は約0.03だと考えられる.
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© 2017 公益社団法人 土木学会
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