2017 年 73 巻 4 号 p. I_859-I_870
性能設計の導入が各種基準類において謳われているものの,現実的には画一的な手法が採用されている現状に鑑み,本論文は設計者の判断により適切と考えられる手法を適用して作用の評価から断面諸元を決定するプロセスを性能設計体系における設計事例として示すことを目的とする.後編に相当する本稿では各種構造物の設計事例を示した.道路橋,鉄道橋,岸壁を対象に,基準類で位置付けられた地震動と震源依存かつ地点依存の地震動を用いた場合で設計結果がいかに異なるかを示し,性能設計の普及のための一助とするものである.