2018 年 74 巻 5 号 p. II_1-II_12
わが国では古くから限界状態設計法,信頼性理論ベースの設計法導入に関する調査研究が行われてきた.しかし,その有用性はあまり認識されず,信頼性理論ベースの限界状態設計法への移行,それをベースとした設計,建設は依然として行われていない.これは限界状態設計法を採用している,AASHTO LRFD, ECまたISOとは大きく異なる.本文では合成桁を取り上げ,限界状態設計法と組み合わせることで,これまでと異なる展開が可能になることを説明する.さらに,ハイブリッド桁などの複合橋梁の適用性が設計法と大きく関わっていることを説明する.あわせて,将来とも重要な開発課題となる維持管理設計法に関して,限界状態設計法をベースとするAASHTO LRFRを紹介するとともに,わが国での今後の取り組み方について説明する.