2019 年 75 巻 4 号 p. I_273-I_284
地震時に鉄道橋梁橋台が傾斜,滑動など変形した場合,橋台背面盛土が沈下し列車走行安全性に影響を及ぼす.したがって,橋台の耐震性能を適切に評価し必要に応じた補強対策を行うことが重要である.橋台の耐震性能の適切な評価に向けては,橋台の降伏震度,降伏後の変位量など変形性能を適切に評価することが必要であり,そのためには,橋台に作用する慣性力と地震時背面土圧が複雑に作用する状態を考慮する必要がある.そこで,これらの状態を考慮でき橋台が大きく変位する状態まで解析可能なMPMを用いた橋台模型実験の再現解析を実施し,模型実験から得られた地震時挙動を概ね再現できることを示すとともに,構築した解析モデルを用いて地震時における桁躯体重量比と変形性能の関係を検討した.