2019 年 75 巻 4 号 p. I_294-I_305
道路橋の耐震設計では,道路橋示方書で示されている設計地震動に対し,部材が少なくとも限界状態3を超えないようにすることで,橋全体系が致命的な被害に至らないように設計されている.しかし,超過作用が発生した場合,部材が水平抵抗力を失うことで,橋全体系が致命的な被害に至る可能性がある.ただし,限界状態3は水平方向の耐荷能力の限界を示しているが,鉛直方向の耐荷能力の限界と一致しているとは限らない.そのため,部材が限界状態3に至っても,すぐに橋が致命的な被害に至るとは限らない.そこで本研究は,超過作用により限界状態3に至ったRC橋脚の耐荷能力を評価するために,耐荷力や応答加速度等の観点から検討した.