2020 年 76 巻 4 号 p. I_267-I_277
橋座部がRC構造で構成された下部構造において,落橋防止構造や横変位拘束構造は,橋座縁端に配置されることで押し抜きせん断破壊する可能性があるにもかかわらず,その照査の必要性については明確に規定されていない.そこで,評価方法の提案に必要な知見を得る目的で供試体実験をおこなった.模型供試体は実物大相当で,コンクリートブロック部と突起部にて構成された構造であり,実験は全12ケースで,コンクリートブロック部を反力床に固定し,突起部に対して繰返し漸増載荷を与える方法により実施した.本稿は,橋座縁端に配置された横変位拘束構造の縁端からの距離に着目した4ケースの結果報告である.実験による破壊面は橋座式で想定される破壊面と概ね一致し,縁端距離が大きくなるにつれて最大耐力も増加するのが確認された.