2021 年 77 巻 2 号 p. 333-338
炭素繊維強化樹脂(CFRP)を用いた当て板接着補修・補強工法に関して設計方法が複数提案されている.CFRPを積層接着する際には,はく離荷重の向上を目的に,CFRPの端部に段差を設けて接着することがある.各段差で力の伝達に必要な長さを十分に確保することで理論的な段差の設計が行える.しかし,端部処理範囲である段差部では力を完全に伝達させる必要はなく,過剰な接着長となる可能性が考えられる.本研究では,一軸引張を受けるCFRP積層補修鋼板を対象に,はく離の照査に利用する1段目のエネルギー解放率が収束する段差長に着目した設計方法を提案した.いくつかの計算モデルを用いて既往の設計と比較して提案の設計が有用であることを示した.また,既往の設計が条件によっては危険側となることが明らかになった.