抄録
建設工事における墜落災害の対策として,平成21年3月に労働安全衛生規則が改正され,新たに墜落防止用の手すりや板,メッシュシートなどを足場に取り付けることが義務付けられた.足場を設置する際は,風荷重に対する足場の強度を検討する必要があるが,現行の指針は,従来の足場を対象としているため,規則改正後の足場に対応しているかは不明である.これらのことから本論文では,幅木の高さをパラメータとして,足場の風力に関する風洞実験を行った.実験の結果,規則に沿った高さ15cmの幅木を設置した足場は,幅木がない足場に比べて,1.5倍程度の風力係数を見込んだ方が良いことが分かった.これらの結果を基に,規則改正後の足場に対応した風力係数の算定方法の検討を行った.