2018 年 74 巻 2 号 p. I_131-I_136
本研究は2016年熊本地震における福祉避難所の運営状況について調査し,福祉避難所の運営上の課題について分析した.福祉避難所を開設した熊本県益城町の2つの特別養護老人ホームを対象に,避難者及び避難者に対する支援者の数がどのように変化したかを聞き取りと質問票によって調査した.地震発生から1週間の間,両施設では大きな混乱が生じた.その要因は被災によって出勤できる職員が少なかったことと多くの一般避難者を受け入れたことであった.このような混乱を避けるためには,BCPの中に福祉避難所の開設手順を加えることが必要である.