抄録
幌延深地層研究所にて新第三紀堆積岩に施工中の立坑(内径6.5m)の深度約160mと220mにて,立坑底盤の岩盤観察,内空変位と地中変位の計測と,立坑の施工手順を再現した三次元解析を実施し,ショートステップ工法による立坑周辺岩盤の力学挙動を分析した.その結果,同工法の施工手順は,ほぼ無普請で3m掘削した後に,厚さ400mmの覆工コンクリートを構築するため,掘削に伴う岩盤の内空側への変形は覆工コンクリートにより顕著に抑制され,壁面から半径方向に概ね1mの岩盤に圧縮ひずみが生じること,また,その最大圧縮ひずみの方向と岩盤の割れ目の方向性の関係から,そのひずみは覆工コンクリートを構築するまでの掘削により,一度開口・伸展した割れ目が覆工コンクリートの構築により再び閉口するために生じることを論述した.