抄録
山岳トンネルにおいてインバートを設置したにも関わらず,完成後に盤ぶくれが生じた事例がある.このようなトンネルにおいては,施工時に将来の盤ぶくれを想定したインバート構造の選択が,適切に行われていなかった可能性がある.鉄道・運輸機構では2014年より,地質の性状や掘削時の内空変位量等に応じて,完成後の盤ぶくれを防ぐためのインバート構造を設計,施工するフローを適用している.しかし現時点では,このフローを適用した具体的な施工事例が少なく,これらの効果を確認するための計測データなども不十分である.そこで本研究では,実際に完成後に盤ぶくれが生じたトンネルの変状を再現できる解析モデルを構築し,インバートの形状や支保工,早期閉合などをパラメータとした数値解析を実施し,完成後の長期的な盤ぶくれに対する抑制効果について検証した.