2019 年 75 巻 2 号 p. I_1-I_11
本論文では,山岳トンネル前方探査の観点から問題となる地質構造,特に低速度帯をモデル化し,弾性および音響フルウェーブトンネルトモグラフィの再現性について数値実験を行った.弾性フルウェーブインバージョン解析においては,震源からの順伝播波形を計算するためにスペクトル要素法と有限差分法による検討から震源関数(震源の指向性)を得た.この震源関数を利用して,P波速度,S波速度,密度,および5つの弾性定数の分布図を得た.音響フルウェーブインバージョン解析においてはP波速度,密度の分布図を得た.フルウェーブインバージョンは,全体として,課題としている低速度部を中心として,物理モデルを概ね正確に再現しており,走時トモグラフィより優れた再現性を有していることを確認した.