抄録
トンネル火災時の煙挙動CFD解析と避難シミュレーションとの1-way couplingによって煙流動に影響された避難者の行動を求め,煙中で行動不能に陥っている要救助者の数によって火災安全性を定量的に評価する方法を提案した.煙による影響を簡略化して表すために,CFD解析から幅方向平均煙濃度分布を求め,さらに路面からの高さとその高さにおける煙濃度から判定する数段階程度の危険度を導入した.危険度をトンネル長さ軸と時間軸によるコンター図で表すことにより,火災時の煙の時間的な流動挙動を簡便な1枚の図で表すことが可能になった.避難シミュレーションはトンネル形状の特徴を考慮して一次元とし,トンネル利用者は避難の必要性を,天井部を流動する煙,他の避難者からの情報伝達,避難放送によって認識するとモデル化した.