抄録
架空ケーブルの経済的な無電柱化工事実現に向けて可とう管にケーブルを収容する手法が有効である.しかし,可とう管は車両走行に伴いケーブルが移動する現象(クリーピング現象)による通信障害リスクが従来管路より高いと想定されるため,事前にその発生を予測し対処することが求められる.そこで,可とう管におけるクリーピング現象の発生条件とメカニズムを明らかにすることを目的に,道路下に可とう管を埋設してその上を車両走行させる検証を行った.その結果,可とう管のクリーピング発生メカニズムは硬質ビニル管と同様であること,可とう管は0.02mm以下の変位にてクリーピングが発生したことから地盤条件による事前予測は困難であること,クリーピングの発生しない車輪と可とう管の離隔距離を明らかにした.